マダムポアン見参

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びっくりする会話を聞いた

二人席が壁に沿って並んでいるお店に、ランチに入った。
こういう作りは、おひとりさま好み。

席はくっつければ４人席になるテーブルなので、間が狭い。
なので隣の会話が一緒に会話しているように全部聞こえる。

隣は７０歳くらいの二人連れのご婦人。
先に来ていらして、とても楽しそうに会話が盛り上がっている。
いいね。
外食ができる家計と友人とそれを楽しめる気持ち、こういう老後はあこがれる。

最初はお水が来たり、注文したりだったが、落ち着くとひまなので本を読む。
隣の会話は、それでもしっかり聞こえる。

テーマはりんご
以下はその要旨。



「冬の終わり頃、いつも行く八百屋さんで、りんごがとても安かった。
夫と二人暮らしで、りんごはそんなに食べないのだが、
ひとつ５０円であんまり安いので、つい３個買った。
それがおおはずれで、中が黒くなっていてひとつも食べられなかった。
いつもなら、必要なだけしか買わないのに、安かったから買ってしまった。
いつもなら、こんな失敗しないのに・・・・・安かったから。」


　　　・・・・・・・・・・　

ずっとこのテーマで話している。
ずっと・・・・・ずっと・・・・・ずっと・・・・・

それも楽しく盛り上がっている。
一人が念仏のように話しているのではなくて、二人で盛り上がっている。
３０分くらいで先に帰られたが、ずーっとずーーーーっと。

このお二人のりんごへの思い、買い物の仕方、家族構成まで、
昔からの知り合いのようにわかってしまった。

尊敬した

会話が途切れないコツ、盛り上げる方法などのノウハウ本がたくさん出ているが、
このお二人なら参考書ができる。

八百屋さんに苦情をいったのだろうか？
きっと、こういうお客さんがお店を育てるんだね。


・・・・・・・・このお二人から１５分くらい後にお店を出たマダムポアンは、
近くの差点でまたこのお二人に会った。

　　　　　　　　　　　　　　

まだ同じテーマで、楽しくお話されながら歩いていた